ソーシャルレンディングとは?

あなたの財務諸表を作成してみましょう。(② B/S編)」でソーシャルレンディングについて、言及しましたが、そもそもこれは何なのでしょう?

また、流行りの業態であるため、多様なオペレータが乱立しています。どのオペレータを選ぶのが良いのでしょうか?

本記事では安全性を優先し、一つの考え方を提示します。

ソーシャルレンディングとは?

そもそも、ソーシャルレンディングとはインターネットを介して、お金を借りたい人または企業と、お金を貸したい人または企業を直接結び付ける行為です。最大手のマネオ社をはじめ、特にここ2年程度で多くの会社が林立するようになって来ています。

さて、多くの会社があり、商品性、利回りともに多岐にわたりますが、何を決め手に投資を始めたらよいのでしょうか?

まず、利回りですが、低くても5%程度となっています。これは金融機関の低金利を考えると非常に高い水準となっています。つまり、リスクも高いということです。

借主はオペレータ(マネオ社等)に通常2-3%の手数料を払っている(オペレータへの手数料を差し引いた利回りが顧客向けに提示されている)訳ですから、5%の利回りとすると借主は7-8%程度の金利を負担していることになります。

金融機関での借入れはずっと安価ですので、何らかの理由でこの高金利に頼らざるを得ない企業が借主にならざるをえないということをまずは理解しましょう。

利回りから自明ですが、これは通常の融資ではありません。専門用語ではメザニンもしくは劣後債権になろうかと思います。つまり、返済順位の高い融資ではないということです。満額返済がなされない時に支払いを受ける順位が低いため、元本の棄損リスクが通常の債権より高いということです。

安全性をどのように担保するのか?

リスクが高いのであれば、安全性をどの様に考えるべきでしょうか?基本的には①実績のあるオペレータ、②保証もしくは担保、③融資期間の3つを考慮しましょう。

1.実績のオペレータ

まず、①のオペレータですが、最大手のマネオ社は最古参(2008年営業開始)ですし、少し前の時点の市場占有率は50%超だったとのことですので、一定の安心感が得られる先と考えます。また、企業向け融資にしてからの債務不履行はゼロという点も安心材料です。

2.保証

次に②の保証については、信用力の高い先が保証人であれば安心できます。マネオ社もしくは、LCレンディングでは、上場会社であるLCホールディングスが保証人になっている商品が多くありますので、当該保証人の信用力を調査し、ここに問題を見出さないのであれば、安心できるということになります。上場会社ですので、信用調査には決算短信という四半期ごとに開示義務のある簡易な財務諸表を確認すると良いでしょう。

LCホールディングスは、ジャスダック上場の会社です。2017年3月現在で時価総額は約50億円で、同社決算短信によると2016年末現在の資本は50億円弱、借入金は50億円強です。株式の取引はあまりないようです。近年の営業成績はまずまずといったところでしょうか?上場会社としてはやや不安を覚える財務状態ではありますが、そうはいっても時価総額50億円の安心感はソーシャルレンディングの中では圧倒的でしょう。

さらに、②の担保は基本的には不動産ということになりますが、(個人情報を保護するという金融庁の指導もあり)不動産が特定されていないため、担保価値を皆さんが評価することはできず、専門業者の評価(言い値)に依拠することになります。向こう1年であれば、評価額が3割程度融資額より大きければ安心できそうです。(3割程度不動産価格が下がっても融資額が守られるということになります。)

3.融資期間

最後に、③の融資期間ですが、向こう6-12カ月程度であれば、急激な市場変動もなさそうです。ただし、2年3年となると分かりませんので、短期間のものの方がよいでしょう。そして、経済状況を常に把握し、不安を感じたら返済を受けた後、再融資をせずに資金を移動させるようにしましょう。

まとめ

以上でご紹介した3つの基準(①実績のあるオペレータ、②保証、もしくは担保の安心感、③短期間)で選ぶと利回りは低めになりますが、堅実な運用ができるようになるはずです。

現在であれば、マネオ社がオペレータで担保がしっかりしている案件、LCホールディングの保証のある案件、等で融資期間が12カ月未満の案件が5%の利回りは確保しつつも安心できる案件と言えるでしょう。

今は破綻先もなく、利回りを求める投資家が殺到し、案件が林立する状態ですが、過熱感が出ています。一度破綻案件が出現すると、参加者が動揺し、信用市場が一気に収縮することで、ソーシャルレンディング市場が大混乱することが予想されます。

低金利、マイナス金利下で融資残高が積みあがる中で、融資の収縮という巻き戻しのリスクも高まっていると言えます。リスクを意識した運用で着実に元本を守れるようにしましょう。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。