人生に彩を添える旅:なぜ旅をするのか?

From:葉山拓哉

私は訪問国数で言えば世界の3分の2以上の140か国を見ており、普通の個人客が訪れたことがある国はほぼ歴訪済みです。残すはアフリカ大陸と、太平洋及びインド洋の島国が中心となっています。

なぜ、旅をするのか?

なぜ、ここまで続けているのかというと純粋に知的好奇心の充足ということになります。訪問国数が100を超えた段階から全くイメージができない国というのはなくなって来ました。過去の経験をもとに完全に未知という領域が少なくなり、地球儀上での空白地帯というのが、かなり小さくなって来ています。

一方で、やはり行ってみないと分からない、感じられないことは多くありますし、知った気になっていただけのこともあります。時が経ち、経済情勢も変わると国も大きく変わります。旅を通して、世界の政治経済情勢を肌で感じることができるのも醍醐味です。自分自身の思考や嗜好の変遷も機微に感じることができます。そのため、200か国完全踏破に向けて、最後の厳しい旅を続けて行きたいと考えています。私が未訪問の国は一般に情報もないですし、1か国1か国の調査に大変な労力と時間がかかってしまうのです。

旅から得られるものとは?

旅から得られるものは大きいです。旅を通して、世界級の自然、文化、遺跡、文明を見ると世界観はこの上なく広がります。人類の軌跡、叡智を感じ、大自然の悠久を見るに、既存の偏狭な人生観は揺さぶられます。自分の人生にとって、何が大事なのか、どうしたいのかといった、最も根本的な問いが自然と湧いてきます。世界級の大自然や、その長い営みと対峙すると、刹那的で物質的な欲求や欲望がどうでもいいことだと心の奥底から感じてしまいます。

また、世界の一流のものを見続けていると時間の使い方も変わって来ます。優れたものに触れ続けていると、凡庸なものへの関心は薄れてきます。そのため、私は価値を見出せること以外に時間は使わなくなりました。これは時間の使い方としてとても良いと思っています。どんな生物でも時間だけは平等です。貴重な有限の資産なのです。その割当をどうするかという際に、重要な物のみに集中できるというのは非常に有利です。あれもこれもということでは、人生は短すぎるのです。目の前にある簡単に手の届くものは我慢し、準備をして労力はかかっても素晴らしい物だけを追いかけるということです。

教科書や図鑑で見たことのある絵画や彫像、食事、酒類、著名な音楽や観劇等、世界の一流に触れると世界の奥深さが分かって来ます。そして、貴重な時間を優れた芸術等を味わうためだけに大切に使いたくなります。

時間に対する感性が鋭くなってくると旅の仕方も変わって来ます。形式にはとらわれず、求めるものに対して最適な手法を取るようになります。予算が限られていた時は、バックパックを担ぐことが中心でしたが、今は最も自分の欲求に応える形式を取ります。アフリカの国家を複数回るということであれば、移動の観点からバックパックを使うことにしますが、海洋の島国を回る場合は、スーツケースがパッキングの容易さを考えて、便利です。

個人旅行が中心でツアーにはあまり参加しませんが、ツアーでないと行きにくい場所はツアーに参加しますし、背景知識が求められる場所ではガイドを雇います。物価の安い国では、移動の効率性を最重視し、運転手を雇うことも多々あります。ガイドや運転手は現地で直接本人と交渉をしますので、非常に有利な経済条件で雇うことができます。運転手を兼ねられるガイドまたはガイドもできる運転手であれば、何日かチャーターしても十分にもとが取れます。イラン、スリランカ、グルジアでは、何日も同じ運転手と行動を共にしました。道中で、現地の人の考えを知れるというのも大変興味深いです。

旅とは非日常であり、必ず戻るべき日常がある

知的好奇心が強く、エネルギーレベルも高い方だと、旅が終わりのないものに見えるかもしれません。私も1,000日以上は旅に費やしていますが、それでもまだまだ終わりは見えません。しかし、旅には必ず終わりがあります。旅とは非日常であり、日常があるから旅なのです。必ず戻るべき日常があるのです。皆さんの日常は何でしょうか。

旅を楽しむなら、日常を大切にしましょう。戻るべき日常を大切にしてこそ、非日常である旅を楽しむことができます。こう考えると、旅の質も高まって来ます。日常を楽しむには日常にも時間と資源を投入し、日常を良いものとし続けておくことが重要です。そうすると、旅と日常のどちらに時間を投入すべきか問われることになります。このバランスが重要です。絶妙のバランスを見出し、日常も非日常も充実した時間となって来ると、あなたの人生が豊かになって来ている証拠です。

良い旅をするには、準備が必要

良い旅をしたいと思えば、当然準備が必要になります。資金も準備のための時間も必要です。日常生活の過ごし方を考える必要が出てくるでしょう。私は世界中を見たいという目標から自分の経済力を高める強い動機付けが得られました。語学力も同様です。英語は商売ができる水準であることが強く望まれますし、スペイン語、フランス語も日常会話の水準程度にはできないと、南米、中央・西アフリカ訪問時に苦戦します。

多くの国に訪れるようになれば、当然様々な人と話すことになり、非常に勉強になります。太平洋戦争を経て、良くも悪くも日本は同質性の高い社会となりました。所得水準、教育水準、価値観、宗教観と他国移民と比べると同質性はずっと高いでしょう。極東の島国の常識が通用しないことも多々あります。世界市民としての最大公約数的な共通見解もありうるでしょうが、一方で、一生埋まらない深い溝もあります。

宗教観、歴史観は過去の紛糾も多く、異なった立場の相手を理解するのはかなり時間がかかります。新しい国に訪れる毎に、その国の民族の歴史を調べて行くと広範な深い知識が徐々に蓄積されます。そして、自国の成り立ちと比較し、相手の立場を深く考察することができるようになって来ます。この作業を何年も何十か国も続けていると世界観がどんどん広がります。

この経験が深まって来ると、人種、国籍等の出自に基づく偏見が無くなって来ます。信条、思考、知的水準等で人をより客観的に判断できるようになります。様々な背景の人と対等に渡り合う自信もつくでしょう。

私はこの作業をひたすら続け、全国家訪問を成し遂げると、未知の世界観が開眼しうるのではないかと期待しています。

私にとって、旅とは知的好奇心充足の手段であり、日常生活をも豊かにしてくれる究極の経験なのです。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。