衰退国家日本国とのリスクを遮断する永遠の旅行者(パーマネント・トラベラー)とは?

皆さんは永遠の旅行者、もしくはPT(Permanent Traveller or Perpetual Traveller)という言葉を聞いたことがありますか?有名人ではサッカー元日本代表の中田選手が現在この生き方をされていると思われます。

これは単にどこにも定住をせず、旅を続ける人のことではありません。

あらゆる国家から税務上の非居住者となり、税金を最小限に押さえる人のことを指しています。1980年頃から理論的には定着した概念です。

また、カントリーリスクを避けることができます。考えたくもないですが、日本国の国債や日本円の暴落のリスクも限定的にできるということです。残念ですが、衰退国家に住む以上、想定しておくべきリスクではあります。

PTの目的1:節税

ずっと旅行を続けることに憧れる方もいるかもしれませんが、一義的な目的は節税です。

通常、非居住者への課税は居住者に比べて軽度であり、源泉徴収に限る国が多くあります。

我国の例では、高所得者になると居住者の場合、50%超の税率が所得に課されますが、非居住者であれば、20%程度の源泉徴収課税が中心となっています。

また、金融所得には課税をしない香港等であれば、完全に無税で資産所得を謳歌することができます。

このため、一部の資産家はこのPTのモデルを利用した生活を送っていました。夏は清々しい欧州に住み、欧州の冬は常夏の南の島や温かい南半球に移動するといった生活です。

PTの目的2:カントリーリスクを避ける

節税に加えて、カントリーリスクを避けるという意味合いもあります。

カントリーリスクとは、金融用語になりますが、対象国の政治・経済・社会情勢の変化のために、個別案件のリスクとは無関係に収益を損なうリスクのことを言います。

例えば、アフリカや中東の政府が弱体化している国を考えると分かりやすいと思います。反政府勢力に国家が分断されることは多々あります。その場合、当該国にある資産は大きな負の影響を受けます。

PTの目的3:5フラッグ理論

そして、カントリーリスクを考える際に拠り所となる5フラッグ理論が提唱されました。①国籍(市民権)のある国、②居住のある国、③事業を行う国、④資産運用を行う国、⑤余暇を過ごす国、と国家には重要な5つの役割があるという考え方です。PTを考える時にこの5項目を自分の好みと税制等のあり方に応じて組み合わされると税効率の極めて高い形でかつ、リスクを分散した生活が送れることになります。

金融危機が起こり、各国の税務当局が国際税務を厳しく取り締まるようになるまでは、資産家でPTを利用する人が数多くいました。

近年では、スイス銀行の情報開示や、パナマ文書の暴露に代表されるようにPTの生活に逆風となる出来事も多く、一時よりPTの話を聞かなくなりました。

また、税収不足に悩む各国の国税当局が国際的な課税網を強化していることも重要な背景です。

私も20代前半の頃はこの生き方に憧れることがありました。

人生を狂わしかねない国家というリスクを極限化し、自由を謳歌するという考え方に共感を覚えたのです。

経済的に大きく成功した知人は当時税制の緩かったバヌアツに居を移し、PTとしての生活を始めました。

私は海外での生活も何年もしていますし、欧米だけでなく、新興国に住んでいたこともあります。

また、今では140か国に及ぶ旅行経験がありますので、もはや無理して移動を繰り返したいという希望はありません。

環境の良いところに定住し、四季の移り変わりや日々の変化に気づかされる生活も理想的だと思います。その意味で、日本は優れた居住環境と考えています。しかし、国難が訪れた際は退避する必要もあると考えていますし、いざという時の準備もしています。

皆さんは上記の5フラッグ理論で全て日本が当てはまると思いますか?

日本は美しい自然と引き換えに自然災害のリスクとは背中合わせです。政府の財務状態は自然災害以上に心配です。

また、お行儀の良い隣国に恵まれているわけでもありません。過去70年は驚くほど平和でしたが、この平和が続く保証はどこにもありません。

日本に有事があった時はどう対応する予定でしょうか?

ある程度の資産があれば、情勢が落ち着くまで安全な所に退避することが可能です。その余裕はあなたの資産所得が生み出してくれます。

まとめ

本サイトで提唱する資産所得の形成は、いざという時にあなたを救います。5フラッグ理論に基づいてあなたの国家に対するリスクを分散しておくことが理想的です。労働所得しかないと労働先に縛られ、物理的に自由な国家の選択はできません。近年でも欧州の国々を中心に国家破綻とまでは行かないまでも、先進国でも多くの有事が発生しています。政府の負債が世界史的な水準である日本も盤石とは残念ながら言い難い状況です。

有事の時に退避できたのは、資産所得もあり、国家に対するリスクを分散していた人たちです。外貨を有していた人たちは欧州諸国の国難をうまく回避できています。

有事は起こって欲しくないものですが、その時のために準備をしておくことが最大の不幸を回避してくれるでしょう。あなたの準備は進んでいますか?

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。