人生に彩を添える旅:食を楽しむ旅編

From:葉山拓哉

旅の楽しみの一つは人間の三大欲求である食欲を満たす食事です。

特に、食で有名な場所を訪れる旅は大きな楽しみとなります。

日本は食に極めて恵まれています。最も権威があるとされるレストランガイドのミシュランの星の数ランキングによると、東京はガイドの発刊以来、世界一位の座を維持し続けています。また、京都と大阪がそれぞれパリとニューヨークとともに世界のトップ5に入っています。食の分野では、経済は凋落気味の日本と欧州が依然としてダントツでしょう。

ミシュランの最高評価である3つ星の定義は、「そのために旅行する価値がある卓越した料理」ですが、まさにその通りと思う店がよくあります。

特に、遠い異国の地ではそう思うのではないのでしょうか。私の思い出のお店の一つは、スペインの名店サンパウです。バルセロナ近郊にある一軒家レストランで、まさにそのお店を訪れるためだけに旅行する必要があります。地中海沿いの白亜の一軒家で全面ガラスとなったキッチンが外からもよく見えます。晴天率が高い地域ですが、青く広がる空と地中海を見ながらの食事は更に格別です。

サンパウでの食事の後は、スター女性シェフ(世界に4名しかいない女性3つ星シェフで、7つの星をもつ世界最高の女性シェフの一人)のカルメ氏が各テーブルに挨拶に来られます。彼女のお店はバルセロナや東京にもあり、それぞれ2つ星ですが、どれも素晴らしく、やはりシェフが挨拶に来られます。ちょっとした会話も料理の余韻を延長してくれます。

必ずしも名店、高級店ばかりが素晴らしいわけではありません。

オランダではフライドポテトが別の食べ物と思える程、おいしく驚愕します。フライドポテト専門の店舗があり、昼間から長蛇の列ができており、選べるソースだけで数十種類といったこだわりようです。スイーツ好きなら、ベルギー、フランス、オーストリアは天国のようなところです。お店の雰囲気から、スイーツ自体まで非常に洗練されています。見た目も味も絶品です。これらの国で私がデザートを食べない日はありません。

Bar等の大衆文化も是非経験すべきでしょう。

スペインのバル、特にバスク地方のピンチョスを扱うバルでは、数十種類のおつまみが彩豊かにカウンターに並んでいます。見るだけでも楽しいでしょう。日本では高級生ハムの代名詞でもある、ドングリを食べて育ったイベリコ豚のハムも国民食でもあり、安価に売られています。

各家庭には生ハムのスライサーが必ずあるほどです。スペインワインは価格の割には非常に質の高いものが多く、コストパフォーマンスは飛びぬけているでしょう。そして、生ハムにとてもよく合います。

バルセロナには世界一のシェフと謳われたフェラン・アドリア氏の弟のバルがありますが、見た目から食事の内容までバルの中では別格でした。8時くらいにならないと食事にでかけないスペイン社会の中で、開店直後の7時から現地客で繁盛していました。

ビールが好きならドイツのオクトーバーフェスト等は外せないでしょう。ビールにとても相性の良いソーセージや、ザワークラウトも絶品です。あまりビールの好きでもない私でもビールがぐんぐん進みます。

また、欧州の大都市で主に週末に開催される露店市では、欧州中の料理が一同を介します。

例えば、移民の多いロンドンでは、世界中の本格的な露店料理が手頃に食べることができます。ホットドッグで名高いデンマークやポーランドのものはおいしいですし、トッピングも工夫されています。中東のオリーブも絶品です。欧州の移民社会も岐路を迎えていますので、こういった文化も変化と対峙することになるかもしれません。

また、高級店にあまりお金をかけずに訪れることも可能です。ディナーではなく、ランチに行けばよいのです。ランチであれば、高級店でも5,000円から10,000円程度のことも多く、ディナーよりずっと敷居が下がります。ランチの方が消化にもよく、お財布だけでなく、お腹にも優しいでしょう。

景気が悪い時に訪れるというのも名案です。

2008年の金融危機の直後、ロンドンの高級飲食街であるメイフェアでは閑古鳥が鳴いていました。どこもガラガラで、Credit Crunch Lunchと銘打ち、非常に価格競争力のあるランチが提供されていました。ミシュランの星付きレストランのTom AikensやSquareといった名店でも£20-30(1£を150円で換算すると、3,000円から4,500円程度)といった金額でセットメニューを食べることができました。

これを好機に私は毎週のように通いました。この価格では従業員の賃金を払うのに精いっぱいで全く利益は出ないでしょう。その分、チップを弾みました。

客数が少ないため、大変親切にされ、何度か通うとすぐ覚えてもらうことができました。

好況の時は私のような普通の個人客ではここまで相手をされることは考えられません。投資の心得と通ずるところでもありますが、人の裏を行くと経済的便益にあやかれるものです。そのためには、常日頃から準備を怠らず、好機を確実に掴む準備をしておくことが重要です。言いかえれば、不況に入った時に有利なお金の使い方ができるように、景況がいい時に過度に消費せず、蓄えをしておくということです。

3つの数字から見えて来る「日本が衰退している」という悲しい現実」の記事でも触れましたが、東京の食事が安価で優れているということを海外で食事をすると痛感できるでしょう。中でも、シンガポール、香港に行くと特に強く感じると思います。シンガポール、香港の高級店では一人5-10万円ということもままあります。確かに素晴らしいのですが、価格に見合っているという実感は持てません。東京の名店では3万円程度で世界の一級品が食せるので猶更です。

世界中で食の文化を堪能すると、人生の豊かさを感じることができると思います。

そして、日本の食の豊かさを実感できるでしょう。世界一の大都市であり続けている東京では、世界中の料理を非常に高品質に、手頃な価格で楽しむことができます。世界を旅することで、その奇跡に感謝できるようになると思います。

何気ない日常、当たり前と思っていたことに感謝できる日常は、人生を豊かにする貴重な経験です。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。