3つの数字から見えてくる「日本が衰退している」という悲しい現実

日本が衰退国家であるという事実は広く認識されているとは思いますが、世界第3位の経済大国ですし、まだまだ裕福な部類であると考えている人が多いのではないでしょうか?

特にアジアでは中国の台頭もあるものの、まだまだ指導的な立場におり、経済的な優位性が保たれていると考えている人が大半でしょう。そして、メディアでも同様の論調が多く流布しています。

必ずしも間違った見方とは思いませんが、現実はずっと厳しいと数字は語ります。

国家の経済規模を語るときは、やはり、GDPと人口が2大要素になります。

今回はGDPと一人当たりGDPを過去20年で比較して、日本の経済的な立ち位置を見てみましょう。

1.名目GDPのランキング

まずは、名目GDPのランキングです。

20年ほど前までは日本の経済規模(GDP)は世界経済の20%近くを占め、米国に迫る勢いでした。

古き良き時代の話です。3位のドイツにも圧倒的な差をつけていました。

それがここ最近ではどうでしょう。

3位の座を維持してはいるものの、ここ20年間での変化を見ると他国に圧倒的に後れを取っています。

これが失われた20年という話です。

国内だけで見れば、邦貨建てのGDPは減ってもいないですし、失業率も低いので、貧しくなっている印象はあまりないでしょう。しかし、他国比で見ると周りが豊かになっているのに取り残されてしまったというのが実情です。

単位:百万米国ドル、出所:IMF

そして、以下が一人当たりで見たGDPの数字です。

欧州の小国を除いて、世界の頂点に君臨していた日本の一人当たりGDPはもはや見る影もありません。

アジアでも成長著しくアジアでのハブの座を争っている、シンガポールと香港にあっけなく抜き去られています。

これが残念ながら世界経済の実情です。

最近アジアからの観光客が急増しているのは誰でも認識していると思います。

日本政府観光局によると、2016年は2,400万人の訪日外国人観光客がいました。うち、2,000万人超がアジアからの観光客です。2003年はわずか500万超の観光客が訪問しているに過ぎませんでした。

もちろん、査証、LCC等の諸条件の影響がありますが、他国の成長が著しいため、日本が誰でも訪れることが可能なほど、相対的に安くなったということが背景にあることは間違いありません。

単位:米国ドル、出所:IMF

2.サラリーマンの平均お小遣い額

では、次に国内の経済水準を見ています。

国内はデータが一番充実しているので、皆さんに一番切実と思われる会社員のお小遣いの数字を見てみましょう。

以下は新生銀行が毎年実施しているサラリーマンの平均お小遣い額の推移です。

お小遣いは過去25年で少しずつ減少し、4万円を切ってしまっています。古き良き時代の6掛けといったところでしょう。

このように見てくると日本の厳しい状況が見えて来るでしょうか?

外務省の旅券統計によると2016年末の日本人の旅券所有率は約25%と先進国では非常に低い数値になっています。

特に若い人は海外に行かなくなっていますので、他国が如何に発展し、自国の発展が止まっているかなかなか気付く機会もないものと思います。

出所:新生銀行

私が初めて中国、シンガポール、香港に訪れたのは90年代の半ばから後半です。

北京では車両が少なく、まだ無数の自転車が道路を占有している時代でした。学生でも購買力のある円を武器に旅ができる時代でした。

今はどうでしょうか?

中国の大都市、シンガポール、香港であれば、東京もしくはそれ以上の物価水準です。

学生が優雅に旅をするのは困難でしょう。悲しい現実ですが、日本は相対的にはかなり貧しくなってしまったのです。

さて、今後10年を冷静に見通した時、東京は復権し、この差は縮まるのでしょうか?それとも、差は開く一方なのでしょうか?

いろんな要素が複雑に絡むため、簡単にこうとは言えません。

しかし、人口構成は一つ重要な要素なのは間違いないでしょう。

3.20年前と今の高齢者比率

ここでも上記同様に20年前と今の高齢者比率を比べてみましょう。

日本の高齢化は圧倒的に進んでいます。

この状態で平均年齢も若く、血気盛んなアジアの国々と伍した成長ができるのでしょうか?

現実的にはとても厳しいと言わざるを得ないと思います。

より公平に言えば、日本はこれだけ厳しい諸条件のなかでよくやっていると言うべき状況と考えます。

出所:国際連合

まとめ

皆さんは向こう10年をどのように捉えていますか?

成長する場所にいれば、その恩恵を享受することはできます。

仕事や家族等の問題で自分自身はなかなか成長のある場所(国家)に身を置くことはできないかもしれません。

しかし、皆さんの命の次に大事なお金はどうでしょうか?

投資等を通して、好きなところに置くことができます。日本だけに置いておくことが正解なのでしょうか?

もし、過去20年成長著しい中国やシンガポールでその恩恵を受けていれば、皆さんの資産はどれ程増えていたのでしょうか?

日本においていた場合と比べると、何倍も有利に運用されたはずです。

次の10年に向けて考えるときは来ています。そして、考えるだけでなく、行動に移す勇気と行動力がある人だけが果実を手にするのです。

皆さんはどうしますか?

あなたの人生を豊かにする5つの目標の記事を読んでみて下さい。厳しい環境でも、あなたが豊かになる道筋をまとめました。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。