人生に彩を添える旅:ブータン編

行きたいとは考えていたものの、なかなか訪れることがなかった国がブータンです。

ブータンに航空便が乗り入れている国が少ないことと、何より一日最低200ドル、250ドル使用することが義務付けられており、相応の予算が必要なことが原因です。

つまり、1週間程度の旅行で30万円近くかかることになります。余裕ができてからはそれ程大きな金額ではありませんが、学生の時は手の全く届かない高額でした。

しかし、この金額は文字通り全てを含んだ価格です。

移動のための専用車、運転手、案内人、食事、基本的な飲み物代、観光施設の入場料の全てが含まれています。そのため、決して高いというわけではありません。

最低この金額を利用して欲しいという政府の意向です。

このため、バックパッカーと呼ばれそうな予算の制約が大きい旅行者は皆無です。ブータン政府はこうして資金で観光客を選別することで自国の文化を守りつつ、相対的に大きな収益を上げています。観光業の一つの持続可能なモデルとして練られていると考えます。

ブータンというとGDPではなくGNH(Gross National Happiness)という経済指標だけに捕らわれない、独自の指標で国民の幸福を表すという考えで有名になりました。

私がブータンを訪れた際も、観光業の関係者が中心となりますが、この概念が体現されていました。

ブータンは最貧国というわけではありませんが、資源や産業がある富裕な国とは程遠い山間の小国です。物資は非常に限られています。一方で、人々は確かに幸せな暮らしを送っているようでした。

新鮮な空気、美しい山並みに建つ独特の建築群、手入れされた田畑、素朴な人々がブータン最大の観光資源です。

ある日、案内人、運転手の二人は食事の後、寄って来た犬に食事の残りを食べさせていました。二人とは旅行期間中ずっと一緒なのですが、こういった扶助の行為の一つ一つがブータン人を豊かにしていると思われました。まさに足るを知るということで、自分の相応に応じた所で欲求を満たすことで、ゆとりある生活を送ることができるのです。

また、仏教が人々の生活の一部となっており、信仰心は大変篤そうです。ガイドと話していると、その深い仏教観に裏打ちされた人生哲学に感心しました。相互扶助の精神は、お金は蓄積できない、業だけが残るという考え方に基づいており、貨幣に捕らわれた現代人に重い問いかけをして来ます。

ヒマラヤには、ブータン、ネパール、チベットの3つの山間の小国があります。

ここでは詳細は記述しませんが、各国の明暗は大きく分かれています。ブータンは恵まれていますが、ネパールは政府も混乱しており、一般に貧しい国の一つです。チベットに至っては存在そのものが脅かされる大変難しい状況です。この違いはどこから来ているのでしょう?

大国インドとの関係、気候及び食物生産力、指導者の質、志向等が大きな違いとなって現状に至っていると思わざるをえませんでした。

ブータンでは、素晴らしい景観を見て、足るを知り、自然と調和し、善行を積み祈るという教えを気付かされる素晴らしい旅を送りました。

素朴な食事も、新鮮な空気、豊かな大自然、温かい人々の心が星付きのレストランでの食事と違わぬ洗練さを感じさせてくれました。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。