衰退国家日本国の財政破綻に備える

From 葉山拓哉

日本政府破綻の可能性

果たして、世界史上最大規模の借入金を積み上げる日本政府は破綻するのでしょうか。個人的には破綻はしないと考えていますが、残念ながら相当無理が来ているのは事実ですので、大惨事と呼びうる事態になることは想定されうると思います。

私が破綻はないと考える理由は以下の3点です。

①     借入金が全て円建てである。(日本銀行は紙幣を印刷することで、いくらでも返済ができることになります。もちろん、過度に実施すれば悲劇的なインフレが理論的には起こるはずです。)

②     借入金の半分が日本銀行をはじめとする政府機関に保有されており、残りも大半が日本の金融機関に保有されている。(日本から全ての資産を引き上げることができる外国人投資家の保有は10%に過ぎず、90%は日本の金融機関による保有。)

③     政府がGDPと同規模の莫大な資産を有し、また消費大増税等の課税ベースを高める余裕が残されているため、破綻の前に取れる施策が複数ある。

とはいうものの、バブル崩壊前のように、余裕ある経済情勢ではなく、金利の急上昇や衝撃的な円安等の危機といえるような事態は想定されます。そうすると、国民経済は大きく疲弊し、皆さんの資産にも大打撃となります。

そして、これらは必ずしも珍しいことではありません。ここ10年の欧州の経済危機ではギリシア、キプロス、アイスランド等の経済が崩壊しそうになりました。20年時計の針を戻せば、アジア通貨危機でタイ、インドネシア、韓国、が危機的状況に陥りました。近い時期にロシア、ウクライナの経済も凄惨を極めました。

信用危機に陥ると、インフレは二桁以上となり、為替レートも大きく下落します。また、取り付け騒ぎとなれば、現金を引き出すこともできません。その間に外貨建てで見ると、現地通貨建(日本では日本円)の資産は減る一方です。この最悪の事態に何も備えないでよいのでしょうか。

破綻に備えるには?

この悲劇を防ぐ方法は、①現金を手元に置いておくこと、②外貨(米ドルが望ましい)を手元に用意しておくこと、です。この2つで取り付け騒ぎが起こっても急場が凌げますし、円が暴落した時は米ドルが暴騰しますので、大きな支えになるでしょう。

金をはじめとした貴金属はロシア危機等を思い出すと役に立たない可能性があります。偽物も多く流通するでしょうし、換金が難しくなる可能性があるので、米国ドルの現金の保有に金貨を複数追加する程度が良いでしょう。過去の他国の破綻事例が大きな指針となります。

資産が十分にあるという方は税金対策以外にも法人化が有効でしょう。法人の資産は個人の資産に比べると接収される可能性が低いと考えられるためです。そのため、法人化して資産保有会社としておけば、その資産が保全される可能性は高くなります。ただし、法人化すると最低でも税理士報酬で年20万円程度、および法人住民税で7万円はかかりますので、個人と合算した際に最低でも30万円程度の税効果が見込める程度の利益が計上できる資産構成としておく必要があります。

例えば、高所得者が不動産を保有している場合は総合課税となりますので、簡単に法人化のメリットを享受できます。一方、株式等はの源泉分離課税のため、ずっと多くの資産が必要になります。資産がある程度築けたら、法人化に挑戦してみて下さい。人生の経済的な選択肢が大きく広がります。法人化の検討できる程度まで資産規模を拡大できるように努力するというのも一つの目標になると思います。

より用心深い方は海外の金融機関に外貨建ての資産を有するべきでしょう。この場合、有事になっても高い確率で資産が保全されます。税収確保に行き詰まり各国税務当局の協調は深まっているとはいえ、個人情報の保護や、顧客の管理という観点から犯罪に与している蓋然性の低い口座・資産属性の場合、あなたの資産が静かに守られる可能性は国内の金融機関と比べて圧倒的に高いと考えられます。

日本で外貨建ての資産を保有することも一定の保全効果はあると思います。しかし、日本の金融機関で外貨建ての資産を有している場合は、高率の資産課税がなされるとあまり意味がなくなってしまいます。例えば、円が大暴落した際に、保有資産に80%等の課税をするといった事例です。これは外貨建ての資産を持つ富裕層を狙い撃ちする政策です。

そんな急進的な政策はありえない、と思われるかもしれません。しかしながら、有事にはこういった少数の金持ちから全てを奪うような政策は広く支持をされるようになる可能性が高いと考えています。そのため、外貨建ての資産を国内で保有することはいざという時の守りにはあまりならないかもしれません。

一方で、海外に資産を保有すると管理が面倒というネックがあります。私の周りの資産家は一部のみを海外に保有しているようです。

有事に備え、資産の一部を準備しておくことが安心に繋がる

皆さんが自分の資産の大きさに応じて5-10%程度を有事向けに備えておけば、万一の際も何とか急場を凌ぐことができると思います。また、真剣に有事に備える中で、世界経済の向かう方向、自国経済の状況、自分の金融資産の状況をしっかりと把握できるようになるでしょう。有事に備える努力が無駄になるに越したことはありませんが、いざという時に自分の準備の良さに安堵できる人生が望ましいと思います。

是非、お金持ちの研究のタブを読んで、今後の資産運用戦略の参考としてください。

投稿者プロフィール

葉山 拓哉
葉山 拓哉国際金融コンサルタント、投資家
世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。

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ABOUTこの記事をかいた人

世界銀行グループ(ワシントンDC本部、新興国現地事務所)、投資銀行(ニューヨーク、ロンドン、東京)にて勤務。 世界各国で約50の投融資案件に携わり、新興国を含む世界の金融・経済情勢に精通。自己資産は世界中のあらゆる商品に投資。世界有数のビジネススクールを卒業し、世界銀行グループにおいても世界の一流の人材と親交を深める。一方で、冒険家・旅行家として世界140ヵ国へ歴訪。傍ら、アフリカ、欧州等の大陸最高峰への登頂を果たす。